マグロの高騰が止まらない。
近年、すべての魚が高騰しているので今に始まった話ではないが、マグロに関しては2005年後半から異常ともいえる値上がり率を見せている。
先月の「マグロを確保せよ! 〜価格高騰で食卓ピンチ〜」(「ガイアの夜明け」10/3放送)やNHKスペシャルで特集されているようにクロマグロ、ミナミマグロの価格高騰は大きく報道されているので周知の事だろう。
これは高級魚のクロマグロやミナミマグロの話だけではない。
食品業界や外食業界では今、もう一つのマグロ価格の高騰が大問題になろうとしている。
それはツナ缶詰やスーパーで売られるマグロの赤身の原料であるビンナガマグロ、メバチマグロ、キハダマグロの高騰である。
ツナ缶詰の価格を一例にして上げると、1.7kg入りの一般的な業務用サイズのツナ缶詰で2年前の卸価格が700〜800円前後であったのに対し、現在の卸価格は1000円前後、そして年末には1200円〜1300円でも安い位になりそうだ。
小売用では大手量販店は10月に主力のP4号缶の4缶パックを298円から348円へ改定したところが多いようだが、今後は3缶パックで298円というところも出てくるとみられ、年末までに大体30%の値上げとなる模様。
過去には一時的な不漁によって価格が跳ね上がったこともあったが、しばらくすると下落するのが常だったのが、今回は様子がちがうようだ。
世界的にマグロの争奪戦が勃発しており、それは高級魚の部類に属するマグロだけではなく、大衆的なマグロも同様であるということ。BSE・鳥インフルエンザによる欧米の畜肉類から魚介類への食生活の変化、そして中国の食生活の変化、これらを原因として起きた需給バランスの変化はそう簡単には収束することはなさそうだ。
ツナ缶詰であればカツオなどでも同様な製品が作れ、さらにもっと低価格で作れるのだが、作っても売れ行きが伸びない理由があって各メーカーともカツオへの切り替えが進んでいないのが現状だ。
ツナマヨ posted by (C) ともしーさんの写真
カツオではシーチキンは作れてもツナ缶は作れないのがその理由。詳しくはあとのエントリーで。